2025年度の新築木造住宅への主な助成金 長期優良住宅

長期優良住宅の助成金について、わかりやすくご説明します。


そもそも長期優良住宅って?

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長期優良住宅というのは、簡単に言うと「長く大切に住める、質の良い家」のことです。国が定めた基準(例えば、地震に強い、長く使える工夫がされている、メンテナンスがしやすい、省エネ性能が高いなど)を満たしていると認定されます。


なぜ助成金が出るの?


国としては、壊しては建て替えるというサイクルではなく、質の良い住宅を長く使うことで、環境への負担を減らしたり、住む人が安心して暮らせるようにしたいと考えています。そのため、長期優良住宅を建てる人には、その努力を応援する形で助成金(補助金)を出しているんです。


どんな助成金があるの?


主に、新築で長期優良住宅を建てる場合と、今ある家をリフォームして長期優良住宅の基準に合わせる場合に助成金があります。いくつか代表的なものをご紹介しますね。


子育てグリーン住宅支援事業(2025年最新情報)


これは、特に子育て世帯(18歳未満の子どもがいる世帯)や若者夫婦世帯(夫婦どちらかが39歳以下の世帯)が、省エネ性能の高い住宅を建てるのを応援する制度です。
長期優良住宅に認定されると、80万円の補助金がもらえます。もし、建て替えの場合は、さらに20万円が加算され100万円になります。
さらに省エネ性能が高い「GX志向型住宅」だと、全ての世帯が対象で160万円の補助金が出ます。長期優良住宅でも十分な補助金ですが、もしもっと省エネを追求したい場合はこちらも検討する価値があります。




長期優良住宅化リフォーム推進事業


これは、今住んでいる家をリフォームして、長期優良住宅の基準を満たすように改修する場合に利用できる助成金です。
リフォームの内容や、長期優良住宅の認定を受けるかどうかによって金額は変わりますが、最大で160万円の補助が受けられます。
若者世帯や子育て世帯、または中古住宅を購入してリフォームする場合は、さらに50万円の加算がある場合もあります。
助成金以外にもお得なことはあるの?


はい、助成金以外にも長期優良住宅にはたくさんのメリットがあります。



税金がお得になる!


住宅ローン控除(減税):住宅ローンの残高に応じて、所得税や住民税から一定額が控除される制度です。長期優良住宅だと、一般の住宅よりも控除される金額の上限が上がったり、控除期間が長くなったりと、より多くの税金が戻ってくる可能性があります。


固定資産税の減額期間延長:固定資産税が安くなる期間が、一般住宅よりも長くなります。(戸建てで3年→5年、マンションで5年→7年)
その他、登録免許税や不動産取得税も軽減されることがあります。




住宅ローンの金利優遇


【フラット35】Sなど、質の高い住宅向けの住宅ローンで、通常よりも金利が優遇される(金利が安くなる)制度を利用できる場合があります。


地震保険料の割引


耐震性が高いと認められるため、地震保険料が割引になることがあります。
資産価値の向上


質の良い家なので、将来もし売却することになった場合でも、一般の住宅よりも高い評価を受けやすいです。


助成金を受け取るにはどうすればいいの?


基本的には、以下のような流れになります。


長期優良住宅の認定を受ける:これが大前提です。国が定めた基準を満たす設計をして、専門機関や行政に申請し、認定を受ける必要があります。


助成金制度の情報を確認する:毎年、制度の内容や募集期間が変わることがあります。国土交通省のホームページや、家を建てる・リフォームする予定のハウスメーカーや工務店に最新の情報を確認しましょう。


申請手続き:多くの場合、補助金の申請は、家を建てたりリフォームしたりする建築会社が代行してくれます。自分で申請する必要がない場合が多いので、まずは相談してみると良いでしょう。




注意点もあるの?

建築費用が高くなる場合がある:長期優良住宅の基準を満たすためには、通常の住宅よりも高品質な材料を使ったり、手間がかかる工事が必要になったりするため、初期費用が高くなる傾向があります。


申請に時間と費用がかかる:認定を受けるための設計や申請手続きに、時間や手数料がかかります。


定期的なメンテナンスが必要:長く住むための家なので、定期的な点検やメンテナンスが義務付けられています。その費用も考慮しておく必要があります。




まとめ


長期優良住宅の助成金は、質の良い家を長く大切に住むことを応援してくれる国の制度です。初期費用が高くなる側面もありますが、助成金だけでなく、税金や住宅ローンの優遇、将来の資産価値向上など、たくさんのメリットがあります。


家づくりを考えているのであれば、ぜひ長期優良住宅の認定も視野に入れて、メリットとデメリットをよく比較検討してみてくださいね。もし具体的に家づくりを進めるのであれば、信頼できる建築会社に相談して、どの助成金が利用できるか、どうすれば申請できるかなどを詳しく聞いてみるのが一番です。



長期優良住宅は具体的にどんな住宅

長期優良住宅が具体的にどんな家なのか、もう少し掘り下げてご説明しますね。


「長く大切に住める、質の良い家」というイメージは掴めたかと思いますが、具体的には、国が定めた以下の9つの厳しい基準をクリアしている住宅を指します。


長期優良住宅の9つの認定基準


劣化対策(構造躯体等の劣化対策)


数世代にわたって住み続けられるように、建物の骨組み(構造躯体)が劣化しにくい工夫がされているか、という基準です。
具体的には、100年程度使用できる構造をめざします。
例えば、木造住宅であれば、シロアリ対策や湿気対策がしっかりとされていること。床下や小屋裏(屋根裏)に点検口を設けて、簡単に点検・補修ができるようにすることも求められます。
コンクリート造であれば、中性化を防ぐための工夫や、鉄筋が錆びにくいようにコンクリートの厚さを確保するといった対策です。
**住宅性能評価で「劣化対策等級3」**に相当するレベルが求められます。


耐震性


地震に強く、**極めてまれに発生する大地震(数百年に一度レベル)**でも、すぐに倒壊・崩壊せず、補修をすれば住み続けられるレベルの性能があるか、という基準です。
具体的には、「耐震等級2以上」、または**「免震建築物」**であることなどが求められます。
「耐震等級2」は、建築基準法で定められた耐震性の1.25倍の強さを持つことを意味します。


ティダホームの建物は「耐震等級3」を標準仕様としています。
「耐震等級3」は、建築基準法で定められた耐震性の1.5倍の強さを持つことを意味します。




維持管理・更新の容易性


建物の骨組み(構造躯体)に比べて寿命が短い、給排水管などの設備や内装材を、点検・掃除・修理・交換しやすいように工夫されているか、という基準です。
例えば、壁や床を壊さなくても配管の点検や交換ができるような構造になっている、などです。将来のリフォームのしやすさにもつながります。
**住宅性能評価で「維持管理対策等級3」**に相当するレベルが求められます。




省エネルギー性


家の断熱性能を高め、冷暖房のエネルギー消費を抑えられるように工夫されているか、という基準です。
具体的には、**「断熱等性能等級5」かつ「一次エネルギー消費量等級6」**を満たすことが求められます。
断熱性の高い窓ガラスや断熱材を適切に使用することで、夏は涼しく、冬は暖かい家になり、光熱費の削減にもつながります。




居住環境


その家が建つ地域の良好な景観や住みやすさに配慮されているか、という基準です。
具体的には、地域の景観計画や地区計画、建築協定などがある場合は、それに適合している必要があります。例えば、周りの家々と調和するような外観デザインや、地域のルールに沿った建物の配置などが求められます。




住戸面積


良好な居住水準を確保できる、十分な広さがあるか、という基準です。
戸建て住宅の場合、最低75m²以上で、かつ少なくとも1つの階の床面積が40m²以上(階段部分を除く)である必要があります。
共同住宅(マンションなど)の場合は、40m²以上となります。(地域の実情に応じて、面積基準が引き下げられる場合もありますが、下限は55m²です。)




維持保全計画

家を建てた後も、定期的に点検やメンテナンスを行っていく計画が立てられているか、という基準です。
具体的には、構造耐力上主要な部分(柱や梁など)、雨水の侵入を防ぐ部分、給排水設備について、少なくとも10年ごとに点検を実施し、必要に応じて補修を行う計画が盛り込まれている必要があります。




可変性(共同住宅の場合のみ)


共同住宅の場合に求められる基準で、住む人のライフスタイルの変化に合わせて、間取りの変更がしやすいように工夫されているか、という基準です。
例えば、間仕切り壁を比較的容易に撤去・設置できる構造であったり、給排水管などを壁の中に埋め込まず、天井裏などに配置してメンテナンスや変更がしやすくしている、といった措置です。




バリアフリー性(共同住宅の場合のみ)


これも共同住宅の場合に求められる基準で、将来、高齢になった際や車椅子を使用する際にも対応できるよう、バリアフリー改修がしやすいように工夫されているか、という基準です。
例えば、共用廊下や出入り口の幅を広めに確保している、将来手すりを設置しやすいように下地を入れておく、などです。


まとめると...


長期優良住宅は、単に広いとか新しいとかではなく、


構造がしっかりしていて、地震にも強い


長く住めるように、劣化しにくい工夫がされている


メンテナンスやリフォームがしやすい


エネルギーを効率的に使える(省エネ)


周りの環境とも調和している


将来を見据えた点検・補修計画が立てられている


といった、多角的に「質の高さ」が評価された住宅と言えます。


これらの基準を満たすことで、住む人は安心して長く暮らせるだけでなく、売却する際にも高い評価を受けやすくなるなど、様々なメリットがあるんです。





ティダホーム 一級建築士 藤井高徳


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